

株式会社ミナト
コロナ禍で落ち込んだ外食産業は今再び盛り上がりを見せている。外食産業の盛り上がりを支えている食品・飲料卸売会社の社長に「会社の展望」や「外食産業の今後」について語っていただき、「外食産業の未来」について考えていく。第一弾は、京都に本社を構える総合食品・青果・酒類・また生産者食材を扱う食のプラットフォーム企業である株式会社ミナトの湊浩社長にインタビューをしました。
株式会社ミナトで社長を務めている湊です。よろしくお願いします。
株式会社ミナトは元々業務用食料品の卸として経営していましたが、最近は食のプラットフォームと名乗っていまして、以前の業務用食料品の卸、総合食品に加えて業務用青果やまた最近では京都の生産者の食材、農産物、全国の生産者さんの食材なども扱ったり、フードロス食材商品の企画開発他 食のプラットフォーム企業としてやっています。

元々は社長職を継ぐつもりで、修行も兼ねて就職活動の際に父親の紹介や自分で訪問を申し込んで大手食品メーカーさんとお話しましたが、なかなか働きたいと思うところがありませんでした。私は文系だったので営業職が選択肢にあがったのですが、メーカーの開発部門の方達が作ったものを売りに行くというのが今考えればなかなか腑に落ちなかったのだと思います。たまたまそのときに当時人気だったメガバンクの方と会う機会があって、お話を聞いているうちに、何でもできる・領域がない・境がないという点が大変面白いと思い、当時の三和銀行、今の三菱UFJ銀行に入りました。
それから30年間銀行で働き、30代から支店長や部長などの役職を13〜14年務めていましたので、幸い色々な経験をさせていただきました。例えば海外だと約26カ国をお客さんと一緒に行かせていただきましたし、今では数えきれないぐらいの体験を経験し、色々な業界を見ることができたので、大変勉強になりました。銀行では支店長などの立場を務めていたので、当時から中小企業の運営はある程度勉強させていただきました。ですから、この会社に入っても銀行で学んだことを引き続き活かす気持ちで今も経営しています。
そもそも私は銀行にいる当時から、卸という業態自体が非常に日本的な慣習で、メーカーさんの代理店として代わりに営業にいくというような一方通行な業態だと思っていました。元からある商品が我々のところに来て、それをお客さんに渡すという一方通行的な流れなので、卸には付加価値がないのではないかと感じていました。色々な業界で付加価値がある卸とない卸がありますが、付加価値のない卸はどんどん衰退していったり、価格競争に巻き込まれていきます。
ですから私がこの会社に来た際に、使っていた業務用食料品卸という会社の肩書きは1年ほどでやめて、商社と名乗るようにしました。商社にはお客様のニーズに答えて、商品を探したり、作ったり、色々なことをするという意味を込めていました。
そして今は「食のプラットフォーム」と名乗っています。
我々の会社は京都駅から南5分ぐらいの場所にあります。常温冷凍冷蔵の3温度帯の倉庫(実際は6温度帯ありますが)、冷蔵冷凍車が25台ほどがあり、またレストランが出来るようなキッチンスタジオがあるのですが、最近はお客様にもよく使っていただけるようになっています。ここが皆さんが集う発信基地や開発拠点(プラットフォーム)のようになってほしいと思っています。このような想いから食のプラットフォームという名前を約1年半ほど前からつけています。コロナが収束してきていて、こういった取り組みが色々な形で効いてきていると実感しています。
リクルートさんやクロスマートにも出身の方が多いですが、サイバーエージェントさんはすごい人材輩出拠点になっています。私達はそんな規模ではないですけれど、そういった食の人材輩出拠点になっていければと、私のライフワークの中では考えていますね。
我々がパートナーとして提携していた業務用の青果卸さんの社長さんが3年半ほど前に不幸にも亡くなられまして、その会社をM&A、事業統合という形で経営しています。ただ今後どんどん規模を大きくしていくかというと、別に規模ありきではなく、内容ありきだと思っています。
規模拡大において、M&Aというのは非常に有効かとは思いますが、一方で大変難しい問題でもあります。大事なのはベストな組み合わせで私らがひとつのチームになり、お客さんの役に立てるということだと思います。銀行時代を経て、2社が1社になることで、共通部分がひとつになる、例えば社長も一人で良いわけで、給料を二人分払う必要もなくなる。経理も同様に二人必要だったのが一人でよくなるなど、このような形で必ずプラスになるということは実感していました。
インターネットで美食の街と検索すると、スペイン、バスク地方のサンセバスチャンが出てきます。我々は現在、京都市さんや京都府さんと一緒に「食の京都」を推進していますので、今後、美食の街と検索したら京都が出てくるようにしていきたいですね。
バスク地方のサンセバスチャンが美食の街と言われているのは、本当に美味しい地元の新鮮な食材を、地元の人たちがいる中に観光客である我々も入らせてもらって食べることができるからだと思います。
一方で日本では京都も含めて観光客と地元の人が分かれているところも多いのが現状です。各地の特産食材をテロワールと呼ぶことがあるのですが、弊社ではミナトテロワールと称して、京都の地元の食材をお届けして地産地消という形で、海外から来られた方・京都以外から来られた方にもたくさん食べていただいて美味しさをわかっていただけるようにしたいと思っています。

本来、我が社が提案しているということは、我が社がメーカーさんに代わってお客様に売っているということだと思っています。しかしこの食品卸売業界はその提案をないがしろにして価格だけで下をくぐるということが多い業界です。こういうことをしていると結局価格競争になり、儲からなくなってしまい、給料も上げられないままになってしまいます。価格競争にならないためにも、提案力で色々な商品を発掘してきてお客様のニーズに応えるということが大事になってきますし、メーカーさんももっと我々が提案するということを重視してほしいと思います。
クロスマートさんとお付き合いさせていただいて何年か経ちますが、いつも議論をさせていただいて本当にありがたく思っています。
(クロスマートの)寺田社長がおっしゃっていた「日本の食は素晴らしい」という言葉には、私も共感します。日本の食というのは、日本食があり、フレンチがありイタリアンがあり、中華がありますし、それが全部美味しい国というのは世界を見渡してもほとんどありません。
寺田社長は、これを当たり前にしているのが生鮮、総合食品、青果などと様々ある業務用食品卸業だ、そういう業界に対して支援をしていきたいとおっしゃっており、私自身本当にありがたいと思っています。この業界は今までスポットを当てていただいたことがない業界でした。そういう意味で、我々とクロスマートさんで定期的にいろんなミーティングをしたり、私らのニーズをぶつけたりしてこの業界をいい業界にしていきたいです。私らの業界というのは、給料もあまり高くなく、長時間勤務があったりと褒められた業界じゃないかもしれませんが、まずは普通の業界にして、ゆくゆくは素晴らしい業界にしていくということを、クロスマートさんと一緒にやっていければと思っています。
本日はありがとうございました。
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