

医療法人 梅原病院
埼玉県春日部市で60年以上にわたり地域医療を支えてきた医療法人 梅原病院。同院では、毎日「1日がかり」だった食材発注業務がクロスオーダー給食の導入によって大きく変わりました。今回は食材発注を担当されている栄養科科長の方へ、導入前の課題、導入後の変化、そして同じように悩む他の病院様へのメッセージをお聞きしました。
導入前、現場では大きく分けて3つの課題を抱えていました。
1つ目は、FAX送信時の「送った・送ってない」問題です。
発注は紙ベースが基本で、3社のうち2社にはFAXか手渡しで届けていました。別の事務所にある共用FAXを使っていたため、「通話中で送れない」「他の書類に紛れる」といったトラブルが日常茶飯事でした。
2つ目は、発注数量の小数点切り上げ手修正の負荷です。
以前は、献立ソフト(パインシステム)から出力した紙の献立表を出力、パソコンの献立ソフト上の発注数量入力画面で自動按分された数量(小数点含む)を、業者ごとの発注ロットに合わせて数量の小数点の切り上げなどを手作業で数値を直していく必要があり、非常に手間がかかっていました。
3つ目は、発注締切の早さです。
FAX運用の場合は2週間以上前に締めなければならず、患者数の変動が読みにくい中で、欠品や余剰のリスクを抱えながら発注せざるを得ない状況でした。
▼献立ソフトから出力される献立表

最大の変化は、以前合計6時間ほどかかっていた発注作業が、今は2時間ほどで終わるようになり、作業時間の3分の2が短縮したことです。FAX運用時代は1日かけて行っていた発注業務だったのでかなりの変化です。
特に、発注ロットに合わせた数量の手修正がクロスオーダー上では必要がなくなったことが一番の時間短縮につながっています。
さらに、FAXのときのような『送ったのに届いていない』『出したつもりが控えにない』というトラブルがなくなって、精神的にすごく楽になりました。

また、発注締切が大幅に短縮されました。FAX運用では2週間以上前だった締切が、クロスオーダー給食では4〜5日前まで可能になっています。
これにより、入院状況による急な食数変動があっても、Web上の注文履歴から簡単に数量を変更できるようになり、電話やFAXで連絡し直す手間が解消されました。
さらに、以前は卸ごとに異なっていた3社への発注運用が、すべて同じ画面・同じ手順で統一されたことも、現場の利便性を高める大きな改善点となっています。
商品ごとに価格と規格が画面に表示されるようになったことです。
▼価格や規格が見れる発注画面イメージ ※こちらはサンプル画面です

以前は1回の発注量4キロのものしか知らなかった食材が、画面で見ると500g規格もあると気づけ、割安だと判断できるようになった。これは紙の発注書では絶対に分からなかった点です。
従来は卸の営業担当者からの提案がない限り、新しい商品や規格を知る機会がありませんでした。
しかし、クロスオーダー給食では画面検索で能動的に新しい食材や規格を探せるようになり、献立の幅を広げる上でも大きな価値となっています。
病院食は患者さん一人ひとりのカルテ情報と密接に紐づくため、当初はWeb発注をNGとする懸念がありました。しかし、手書きや手作業による発注業務の限界を感じていたため、Web化のリスクを見える化し、運用面での明確な切り分けを徹底しました。
以下の3つのポイントで対応しました。
ネットワークの分離:クロスオーダー給食を動かすPCは、電子カルテのネットワークから完全に分離し、厨房業務専用端末として運用しました。
セキュリティ対策:ウイルス対策ソフトを導入し、セキュリティ状態を見える化しました。
情報の限定:システム上で扱う情報を「商品名・数量・納品日」などの発注情報のみに限定しています。
最初から「無理」と諦めるのではなく、このように運用を明確に分けることで、Web化のハードルはクリアできるケースが多いのではないでしょうか。
能動的に動かずとも、画面上で価格や商品一覧を簡単に確認・比較できるのは現場として非常に助かっています。
発注時間が大幅に短縮されたことが最大のメリットです。
今後、CSVデータのアップロード機能を活用すれば、さらに効率化できると期待しています。
また、導入当初を振り返ると、苦戦したという感覚はありませんでした。最初は商品を探すのに少し時間がかかりましたが、2〜3日で慣れて、特別な説明がなくても操作できるくらいでした。
卸売会社さんがクロスオーダー給食に対応してくれているおかげで、こちら側もFAX運用から抜け出せています。同業の病院さんで、ネットワーク制約や前例のなさに躊躇されている方にも、運用の分け方さえ整えれば十分対応できる、ということをお伝えしたいです。

梅原病院様は、3社の卸売業者様に対する発注をクロスオーダー給食に集約され、発注業務時間を1日6時間から2時間へと大幅に短縮されました。
特に印象的だったのは、検収票や商品検索、部門別発注といったクロスオーダー給食の機能を活用し、現場の運用に合わせて使いこなしていらっしゃった姿勢です。今後は献立ソフトからのCSVアップロード機能の活用など、さらなる効率化の余地もあります。
セキュリティ上の理由から、Web発注への切り替えを断念される病院様は、少なくありません。ぜひ、梅原病院様の事例を参考にしていただきたいです。
貴重なお話を聞かせてくださった梅原病院様、ありがとうございました!
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