

京都鰹節株式会社
コロナ禍で落ち込んだ外食産業は今再び盛り上がりを見せています。外食産業の盛り上がりを支えている食品・飲料卸売会社の社長に「会社の展望」や「外食産業の今後」について語っていただき、「外食産業の未来」について考えていきます。第二弾は、明治10年から京都で鰹節を飲食店に提供している、京都鰹節株式会社の志村社長にお話を伺いました。
京都鰹節株式会社の代表取締役の志村です。よろしくお願いいたします。
京都鰹節株式会社では、明治10年から京都で鰹節を飲食店様などに提供しております。創業当時は鰹節だけを取り扱っていましたが、鰹節から派生して、昆布や出汁をとるのに必要な醤油・みりんなどもお取り扱いさせていただくようになりました。現在は鰹節や昆布だけでなく、飲食店様で使われる食材全般を取り扱っている会社です。専門としては鰹節や昆布ですが、我々が考える「良い品質」のものを、一貫して提供することに最も重きを置いています。

大学時代は会計士を目指していたのですが、在学中には合格せず、3年ほど父親である会長に浪人させていただいた後、当社の取引先である2社に修行に行かせていただきました。もともと会計がやりたい気持ちがあったので、弊社に戻ってからもずっと経理の仕事をしていましたね。そこで、経理として働きながら税理士の資格を取ろうと勉強しました。
経理や税理士もそもそも向いていない、やりたいことでもないと気付き、せっかく社長をできる立場に恵まれているのであれば、やってみたいと思うようになりました。
父親である現会長とは性格が正反対とよく言われていたため、同じ社長像を目指すつもりはなく、自分のやり方でやっていこうと思っています。そういう意味では、父親である現会長を意識はしていましたね。
「京出汁を通して、健康と幸せをお届けする」というミッションを掲げ、そのミッションに沿ってこれからの時代を進もうと思っています。
就任してしばらく経ってから、経営方針や会社のミッション・ビジョン・バリューをまとめました。会社のメンバー6名ほどで集まり、中小機構のコンサルタントの方に入っていただきつつ、中期経営計画を議論する中で固まっていきましたね。

小さい頃から鰹節屋だったため、家では自社の鰹節を使って、母親が出汁をとった料理を作ってくれていました。食べると美味しいですし、ホッとすると共に、出汁の味は良いものという認識があります。また、食べることは人生にとって非常に大事だと考えています。そのため、伝統的な出汁や味を提供できるのは嬉しいことですね。
例えば、鰹節であれば魚をとる漁師さんがいて、その魚を生魚から削る前の節に加工する生産者の方にバトンが移ります。その後、鰹の節を生産される方から、弊社は削る加工をします。さらに、飲食店さんの方にバトンを引き継ぎ、最終的に消費者へ届く。また、伝統的な食材ですので、過去から現在、そして未来にバトンを繋いでいく。2つの意味で「出汁のバトン」という言葉を使っています。しっかりと価値を尊重したまま繋いでいきたいという話はよくしていますね。
我々が考える品質を絶対に維持することを、第一に考えています。コロナの影響もあって日本食が海外でもブームになり、食材の取り合いが発生しています。最近、魚も争奪戦になる傾向にありますが、安定して良い品質で提供できるように、調達や在庫確認は万全の体制を整えるようにしています。
学校給食でも弊社の鰹節や昆布をお使いいただいており、弊社の出汁を使っている学校で、社員が食育の授業をすることもあります。最近では家庭で伝統的な出汁を取ることも少なくなっているように感じます。子どもたちにとっては、給食が伝統的な出汁をとったものを食べる唯一の機会という場合もあると思うのです。そこで、鰹節や伝統的な出汁の素材を使っていただき、出汁の授業も行うことで、出汁の文化を守れたらと思っています。私も何回か授業を見に行きましたが、どの学校でも興味を持ってお子さんたちが話を聞いていて、喜んでいただいているなと思います。

健康経営をするためには働きやすさを確保しなければなりません。クロスオーダーを導入する上で社員の働きやすさは最も考えた部分ですね。また、お客様あっての仕事ですので、LINEやパソコンでも、FAX-OCRでも発注できる点が、お客様にとっても非常に魅力的だなと感じました。
今までは留守番電話の注文を受注するために社員が当番で朝早く出社し、受注処理をしていましたが、クロスオーダーを使うようになってからはなくなりました。
また、代理発注機能も活用しています。これまで、営業社員が客先で聞いてきた注文は会社に帰って受注処理をしていました。しかし、出先で代理発注を使うことで、帰ってからの処理時間がなくなり、働きやすさに繋がっているのではないかなと思います。便利に使わせていただいています。
海外でも日本食が非常に人気になっており、外国人観光客の方も日本の食べ物を楽しみにされている方が多いです。日本食や出汁は、今後広がっていくと思います。一方で、提供できる供給に限りがあるため、持続可能な食材の提供ができるような仕組みを考えていかなければいけないと感じています。
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